ミニカー”お手軽”ディティールアップ講座

"油性サインペンでここまで出来る”4弾は、トミカの旧6番、S13シルビアです。
今の6番はカブに替っていて、店頭などに有る在庫分がなくなれば一寸購入しにくく
なってしまうので欲しい人は早めに入手しましょう。

この車はトミカとしてもなかなかよくできている方だと思いますが、腰位置の凹モールドが
無いのが非常に残念です。肩の細い凹モールドは・・・望む方が贅沢でしょう。(^^;)
いずれトミカリミテッド版がリリースされるのでは・・・という気もしますが、ここでは
とりあえず標準版に加工してみます。

*この車は我が家の導入候補として割と真剣に検討したことが有るので一寸思い入れがあります。
 後席居住性がもう少しよければどれかの替わりに入っていたかも・・・ということで、今回は何時になく(?)力が入ってます。
 そこで、第1回に続き、標準状態のと並べた状態も撮影してみました、どのような変化があるかわかりやすいと思いますが・・・どうですか?

 ついでに、今回参考に使った田宮模型1/24のものも背景にならべてます。
 1/24の方はAutoColerという模型用の途料のライムグリーン(S13指定色)を使っていますが、
 これに比べるとトミカはかなり色味が強いのが判ります。
 この辺は
スケールエフェクトへの配慮で、小さいものに実車と同じ色を塗ってもコントラストが弱かったり、塗料の木目が粗すぎたりして印象が合わなくなるのを補正しているわけですが、S13ではかなり良い線の色味になっていると思います。

 もっとも、トミカはロットによるのか色味や仕上がりに結構個体差があったりしますので、こういった微妙な色合いのものは可能ならは現物を見せてもらって好みのものを買えるといいですね、中には”これって不良品じゃぁ・・・”なんて仕上がりのも無いことはないので。
(一部の店では応じてくれますが・・・この点だけはブリスターパックが優れています、片面は見えませんが。)

 わたしの場合、例えば改造・塗り替え予定で購入する場合などはブリスターで塗装の悪いのをあえて選んだりします、どうせ剥離するか上塗りするので、良品は欲しくて買う人に残そう、ということですが・・・
 だからといってトミーは誉めてくれませんけど。(^o^)


用意するもの:

油性ペン極細、黒、赤
前回同様 0.3mmのPIN FOR PROを使ってます。
マッキー極細/細等の青、オレンジ、黄色
ガンダムマーカー墨入れペン(グレー)
前回同様、模型店、大型玩具店などに有ります。
又は
文房具・画材売り場に見かけるばら売り多色マーカー(アルコール系インクが多い)のグレー
これは色々なメーカーがあるようですが、濃い目のグレーで先の細いものを選択ください。
修正液(事務用の一般的なもの)

実車資料・・・今回は箱絵及び、以前作成した田宮模型の1/24キットを参考にしています。
→箱絵に描いてあるのは前期型K'sの標準車、という実車ではめったに見られない
仕様です。15in型のホイールキャップなど、覚えてない方も多いのでは。
ミニカーの方はリヤスポイラーも有るので恐らくSパッケージ車を意図していると
思われ、実車でもこの仕様が多かったので、今回の加工内容もこれに準じます。

・ポイント


1窓枠はブラックアウト

いつも通り窓枠を黒で塗ります。
毎度のことですが、これで結構引き締まります。
コントラストが強くなるせいか、車体色が引立つような効果もあるのでお勧めです。
但し、ウィンドウ面に付かないよう、充分注意ください。



2黒帯追加

S13は、丁度2トーンの塗り分け位置に浅く凹モールドが通り、黒いテープ
(サイドはオプションでモールもあり)が入っています。トミカでは塗り分け
誤差が明瞭になるのを嫌ってか(?)このモールドが無いので黒帯を追加します。
この時、この個体では塗り分け位置がやや高めになっていたのでこれを修正する
べく下側色の上に引いています。この際、セロハンテープ等でガイドを貼って
おくとやり易いですが、キチンと貼っておかないとインクがテープの下に周り
込むことが有るので注意してください。
これで2トーンの塗り分けが大分強調され、全体に引き締まった印象が強まります。


3フロント周り

バンパー開口部を黒くつぶし、バンパーウィンカーは修正液の下地にオレンジを入れます。
で、ライト&グリルですが・・・ここは外形のみの再現で全体が明るいメッキです。
今回はSパッケージということでプロジェクター風に”見えるよう”仕上げます。
まずはフェンダーのウィンカーはオレンジ、ライト内側のフォグには黄色を入れます。
このあと、プロジェクターの丸の辺りに青いペンで丸を描きます。これが乾いたら、
墨入れペンを使ってこの丸の中を塗り(溶かし)、青は縁とその周囲のみ残して消します。
更に、ライトの余白部分、グリル、スモールに全体的にグレーを掛けて落ち着かせます。
この時、グリルの”SILVIA”文字辺りを塗り残すと雰囲気が出ます。
*この辺は微妙な作業で表現し難い上に、画像でもいまいちはっきり見えないので、
判らないこととかありましたら雑談の所にでも質問してください。
いつも通り、各ライト周りは軽く隈取りしてます。特に、ボンネットからわずかに見える
ライト上面に当たる面はしっかり潰した方が良いと思います。
また、ナンバーはリヤ共に凹部に修正液を流して数字のモールドを浮き出させています。



4リア周り

テールランプは下地に修正液を流し、赤、オレンジ、薄いグレーで塗り、隈取りしてます。
修正液は均一に塗るのが難しいので、本当は下地はわずかに黒の入った銀辺りでやった方が良いです。
隈取りは凹部と色分けラインはスミ入れペン、レンズ両端の黒い部分は黒ペンです。
リアスポイラーは下が全く抜けていないのですが、軽く墨入れの上でストップランプを描きます。
キーの蓋は黒で、SLVIA文字はグレーでそれらしく入れています。
標準状態とならべてみると、大分密度感が向上していると思います。


5K'sバッチ

側面にはK'sのバッチが有りますので黒で書いた後、シャープペンシルの先の角を使って
”K's”をそれらしく書き込み(インクを削りとり)ます。銀を下地に塗ってからやれば
尚良いでしょう。


6墨入れ

各所に墨入れペンで影を入れました・・・といっても、残りは今回はボンネット、トランクくらいですね。
色付き車体なのですが、割と淡い色味なので今回はグレーを使ってます。


7その他

トミカの2トーンの塗り分けは、上半色で全体を塗った下を塗っています。こうすると、
ホイールアーチ部には塗り残し等が出やすいので、アーチ内側は黒くつぶし、アーチの
エッジで下の色が薄い部分はグレーをタッチアップすると目立たなくなります。


8Extra menu

内装はベージュっぽい色になっていますが、本来は明るめのグレーです、又、ドアの内側は
車体色のままなので、カシメを開けて全体に塗り直すのも良いでしょう。
但し、この車体色でグレー内装はミニカーとしては華やかさに欠けると思います・・・ので、そのままにしました。