☆8/26(月)
姫路→佐用(充電中、ティーノHEVで宮本武蔵生家ほか)→千種(ちくさ)→生野(いくの)→(借用車で)和田山(泊)

 まずは姫路城見学。前日は小豆島で手いっぱいでしたが、やはり姫路に来た以上、ここだけはハズせません。
 「観覧時間 1時間半」の立札を見て駆け足見学しましたが、それでも1時間。もうお昼です。

 タクシーでひめじエコ・ステーションに行って、ハイパーミニで佐用へと向かいました。日産チェリー佐用販売様まで、全区間なだらかな上り坂。しかし遅くなるので今度は50〜60km/h巡航。
 しかし甘かった……。途中から、制限60km/h……つまり実質、60km/hで走っててもアオられるワケで……。

 ここで誤解のない様に書いておきますが、ハイパーミニは平地で107〜108km/hは出せますし、本来、パワーは充分にあって加速も良いのです。
 しかし、長距離で少しでも電気を持たせるには、とにかくケチらねば……となってしまうんです、心理的に。
 で、結局は心配し過ぎでした。何と半分の電気で着いてしまったのです。距離にして42.6km。

 「西はりまエコ・ステーション」こと日産チェリー佐用販売(株)様に到着すると、ブルーステージの看板の下にエコ・ステーションの看板。お店の回りには、普通なら車種名なんかの書かれたのぼりの代わりに、「でんき自動車」と大書されたのぼりがズラリ!!
 こんな自動車販売店さん、見たことないです……さすが!!先程のひめじエコステの丸三レンタカー様についても「低公害車・エコカー」と書かれたのぼりがズラリでしたが、気合い入ってますね〜。

 充電中は、小林専務様が会社のティーノハイブリッドで昼食に連れ出してくださって、続いて岡山県に入って、宮本武蔵の生家や
智頭急行(ちずきゅうこう……第三セクター会社の鉄道。非電化単線ですが、大阪〜鳥取の特急ディーゼルカーも走る重要な路線)の宮本武蔵駅まで連れてってくださいました。
 来年のNHK大河ドラマが「宮本武蔵」に決まってから、急に観光客が増えて、道端の案内版も大きく立派になったとか……。確かに結構な人出でした。

 佐用を出発すると、次は26.5km離れた「エコ・ステーションちくさ」へ。千種高原の千種モータース様です。
 道中、時折びっくりした様にこちらを見る、下校中の小中学生を横目に、山あいののどかな道をスイスイ……しかしのんびりと走ります。
 こういう道で左右の窓を全開にして走るのはこの上なく気持ち良く、夏草や樹々の匂いまで楽しむことができました。
 そしてそんな場所で、自分も排気ガスを出さずに走っていることが大きな喜びとなって全身を包みます。

 それで、千種到着時、30%減った電気をフルチャージに……と、今までと違うタイプの充電器(
写真の左から2つめ「マルチタイプ」)に繋いだまではよかったのですが、車庫の奥で風通しが悪いせいか、クルマのエアコンが強制作動して電池の冷却を始め(これが始まると電気を取られ、充電時間がメチャクチャ遅くなる)、しまいには充電器自体の方が火傷しそうなくらいに熱くなり、エラーのランプが点滅して充電が止まってしまったのです(これが悪夢の始まりでした……)。

 後で判ったことですが、他車種用の充電装置と組み合わせた日本電池サイドで、中にスッポリ入っている豊田自動織機製インダクティブ充電器の本体(
いちばん上の写真参照)の排熱ファンの換気孔を、金属製カバーで殆ど塞いでしまったという、構造上の欠陥が原因だったのです(ほぼ間違いありません)。
 故障ではなくて、過熱したことにより、インダクティブ充電器内部の安全装置が働いて、充電を止めてしまった様です。

 しかしとにかく、充電完了時には辺りは暗くなってきて、周囲に宿もない千種高原からは移動せねばなりませんでした。
 次の充電場所「生野エコ・ステーション」までは59.0km……いや、地元の千種モータース様ですら通りたくないという、危険な高野峠を避けて、国道29号を一宮町の伊和高校前まで南下するルートだと64km余。

 伊和高校のそばから県道6号で北上し、国道429号で朝来(あさご)町の方への
峠越え……。
 果たして夜間ライト点灯での64kmの峠越えが可能なのか、ちょっとヒヤヒヤもの
でした。

 小林専務様からも、「生野エコ・ステーション」こと澤田モータースの澤田社長様からも「途中、ケイタイも通じない様な所があるし」と、無理に行かない様に忠告を受けたものの、最悪でもハイパーミニには24時間態勢の「日産オーナーズ・サポート」があるし、カーナビで“ボタン一発・自車位置込みで緊急通報”の“
HELPNET”会員にもなっているし、とどまったところで宿泊できる所もないので、ここは「エイヤッ!!」と夜の峠越えを敢行することにしてしまいました。

 最初はクルマの数も殆どないので、30km/h以下で走ってみたり、ヘッドライトを
スモールにしてみたりしてましたが、最初の峠を越えて大通りに出ると、さすがにそうも行きません。
 それでも後続車が迫ってくると左によけて徐行して(完全に停車すると、再度発車する時に、多くのエネルギーを消費してしまいます……渋滞で燃費が悪くなるのと同じ論理です)やり過ごし、低速走行をキープしました。

 路線バスまで先に行かせながら峠を上りきると、今度は急な下り、そしてまた上り坂です。
 下りでは、なるべく回生ブレーキ(エンジンブレーキと同様に、動力OFFの駆動モーターで走行抵抗をかけて減速し、なおかつモーターの軸が回されて発電した電気を、バッテリーに戻す機構)で発電して電気を貯められる様、あまりブレーキペダルは踏み込みたくないとこですが、ヘアピンカーブはあるわ、前方に鹿が飛び出して横切るわ(……ん?……うわああ!!何てとこだよ、全く!!)で、なかなか思う様に行きません。

 しかし、そうこうしてるウチにもてっぺんを越えて、神子畑川沿いの林の中を
くぐり、民家の灯りが見える平地の道路に入ってきたのです。
 真っ暗で、対向車も殆どない峠道での孤独な戦いから、やっと解放されたのを実感しました。

 やがて、播但(ばんたん)ハイウェイの朝来ICのそばを抜けて国道312号に出ると、元気よくスピードを上げました。
 JR播但線の生野駅を過ぎ、ちょっと行き過ぎてしまいましたが、澤田モータース様に到着。
 ちょうど小林専務様が、心配して私のケイタイに掛けてくださって間もなくの到着でした。

「無事ですか?!」
「今ちょっと行き過ぎましたが、ちょうど着くとこです……まだ2割残ってます!!」

 そう、ライト点灯して64kmの峠越えをやって、まだ2割の電気が残ってるなんて!! 一体何てヤツなんだ!!……このちっぽけなハイパーミニが、こんなに頼もしいクルマだったなんて……(しかし、鈍足でイライラさせた後続車にはゴメンナサイです)。

 到着は21:15を回っていたでしょうか?この日「四国EVラリー」からお帰りになったばかりでお疲れの澤田社長様でしたが、同ラリー優勝のトロフィーと賞状を 持ってきて見せてくださり、その夜の宿の手配も助けてくださった上、コーヒーをご馳走になりながら、色々なお話を聞かせて頂きました。
 四国1周してきたダイハツ ミゼットII改造の電気自動車も、私に見せるために充電してくださってたとのこと。感激しました。

 この夜は澤田社長様にガソリンのスバル レガシイをお借りして、和田山に宿泊。
 生野から和田山へは、意外と距離がありましたが、エンジンの音や振動と引き換えに、今度はエネルギー残量を気にせず伸び伸びと運転できたのは、素直に嬉しいことでした。